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膵臓は、胃の裏側にある長さ20cmほどの臓器で、食べ物の消化を助ける「膵液」をつくったり、血糖値を調節するホルモン(インスリンなど)を分泌したりする重要な役割を担っています。この膵臓にできるがんが「膵臓がん」です。体の奥深くにあるため、がんが発生しても初期には症状が出にくく、健康診断など一般的な検査で発見することは極めて困難です。進行すると、腹痛や背中の痛み、食欲不振、体重減少、急な糖尿病の発症・悪化、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)といった症状が現れてきます。
当科では、がんが見つかってから治療を開始するだけではなく、「早期発見」「内科治療」「外科治療」「放射線治療」のすべてを見据えた、一貫性のある治療戦略を立てることを最も大切にしています。特に、がんのリスクとなる病変(膵管内乳頭粘液性腫瘍:IPMNなど)の段階から内視鏡を駆使したリスク評価と経過観察に力を入れており、IPMNなどのリスク病変の評価・経過観察について、積極的に診療・研究を行っています。
膵臓がんの治療は、主に「外科治療」「放射線治療」「薬物療法」を組み合わせます。どの治療を選択するにも、精密な検査による正確な診断と、万全の体調管理が欠かせません。特に、膵臓がんによって引き起こされる黄疸(おうだん)は、体力を著しく消耗させ、その後の手術や薬物療法といった本格的な治療の開始を遅らせる大きな原因となります。
当科では黄疸に対し、最新の知見に基づいた高度な内視鏡治療を迅速に実行し、その後の本格的な治療へスムーズに移行できるよう、万全の体制を敷いています。
がんが膵臓やその周囲に限局している場合に最も根治が期待できる治療法が外科手術です。
当科では、外科医と常に密な連携をとっており、術前の精密な評価から術後のフォローアップまで、切れ目なく情報を共有しています。内科・外科の垣根なく、それぞれの専門性を最大限に活かし、患者さんにとって最適なタイミングでスムーズに治療を移行できる体制を整えています。
特に切除不能局所進行膵癌(URLA)に対する術前化学療法、化学放射線療法後に行うConversion surgery(拡大根治手術)に関しては、関東でも有数の症例経験を有しており、セカンドオピニオン含めてご受診お待ちしております。
放射線治療は、高いエネルギーのX線を病巣に照射してがん細胞を叩く治療法で、薬物療法と組み合わせて行うこともあります。
放射線治療が必要と判断された際には、放射線治療を専門とする医師と直ちに連携します。当院の強みである診療科同士の「顔の見える関係」を活かし、カンファレンスで情報を密に共有することで、患者さんが迷うことなく、最適なタイミングで放射線治療へ移行できる体制を整えています。
薬物療法(抗がん剤治療)は、膵臓がん治療の根幹をなす非常に重要な治療法です。手術が難しい進行がんの治療はもちろん、手術後の再発を予防する目的(術後補助化学療法)や、手術前にがんを小さくして手術をより安全・確実に行う目的(術前補助化学療法)でも行われます。
近年の進歩は目覚ましく、複数の薬剤を組み合わせる強力な治療法(FOLFIRINOX療法、ゲムシタビン・ナブパクリタキセル併用療法など)が登場し、治療成績は着実に向上しています。当科では、消化器・腫瘍の専門家として、国内外の最新の知見に基づき、がんの進行度、患者さんの体力や併存疾患、がんの遺伝子情報などを総合的に評価し、一人ひとりの患者さんの病態や状態を総合的に評価し、最善と考えられる治療法を提案します。
治療中は副作用をいかにコントロールするかが鍵となりますが、当科には膵臓がんの薬物療法に精通した医師、看護師、薬剤師がそろっています。チーム一丸となって、副作用を最小限に抑え、患者さんが安心して治療を継続できるよう、きめ細かくサポートします。
超音波内視鏡検査:229件
内視鏡的逆行性胆管膵管造影:135件
膵臓がん薬物療法:168件
当科では、消化器内科医、外科医、放射線治療医、腫瘍内科医はもちろん、看護師、薬剤師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど、多職種の専門家が連携して一人の患者さんを支える「チーム医療」を実践しています。定期的にカンファレンスを開き、専門家それぞれの視点から意見を出し合い、患者さん一人ひとりにとって最善の治療方針を議論しています。病気と向き合うだけでなく、治療に伴う様々な悩みや生活の変化にも、チーム全員で寄り添います。
当院でのがん治療