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子宮体がん

疾患概要

  • 子宮体がんは婦人科悪性腫瘍の中で増加傾向にあります。
  • 閉経前後に多く見られます。
  • ホルモン依存性(エストロゲン)の子宮体がんをTypeⅠ体がん、非依存性のものをTypeⅡ体がんと呼び、その性格が違います。
  • 近年は分子分類といった子宮体がんの細胞そのものの性格での分類(TOGA分類)が提唱され、予後や治療の選択に寄与します。

治療について

  • 子宮体がんの治療は原則として手術です。全身状態不良などといった場合は放射線・薬物療法も選択されます。
  • また挙児希望の方は、高用量黄体ホルモン治療を施行します。

手術(外科治療)

  • 早期例に関しては、子宮全摘術+両側付属器切除術を施行し、必要に応じて骨盤・傍大動脈リンパ節郭清を追加します。
  • 早期症例の一部では腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術の適応となります。当院は施行準備中です。
  • 挙児希望の方は高用量黄体ホルモン療法と子宮内膜全面掻把術・子宮鏡手術を組み合わせます。

放射線治療

  • 全身状態不良例に放射線療法を施行することもあります。
  • また、腟断端再発(子宮全摘後の腟の再発)に対しては腔内照射で対応します(他院紹介となります)。
  1. 根治的(化学)放射線療法
    身体の外から照射する外照射と、放射線を出す物質を子宮内に挿入し中から照射する密封小線源治療を組み合わせて治療します。化学療法を併用することもあります。
    当院では密封小線源治療装置がないため、実施可能施設へ紹介することになります。
    外部照射は1日1回の治療を週5日、計25回(5週間)行うことが基本です。
    1回の治療時間は10分程度です。
    密封小線源治療は外照射期間の後半もしくは終了後に、週1回で計3~4回行います。
    小線源治療日には外照射はお休みとなります。
  2. 再発巣、転移病巣に対する緩和照射
    がん病巣に起因する種々の辛い症状を緩和する目的で行います。1-10回の小数回で行うことが一般的で、治療に伴う副作用はごく軽度です。

薬物療法

  • 術後補助療法としては、手術後の再発リスク分類(子宮体がん治療ガイドラインに基づく)により、再発中・高リスク群には化学療法をお勧めします。
  • 術後補助療法としては主にパクリタキセル+カルボプラチン療法を施行します。
  • 進行・再発症例に対しては、がんの性格により選択することも多いです。
  • マイクロサテライト不安定性/dMMR陽性:ペムブロリズマブ療法
  • pMMR/MSS:レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法
  • その他:パクリタキセル+カルボプラチン+ペムブロリズマブ+オラパリブ療法
  • ホルモン療法(黄体ホルモン療法)など

治療実績

  • 腹腔鏡下悪性腫瘍手術、ロボット支援下手術については現在準備中です。