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卵巣がん

疾患概要

  • 卵巣がんは卵巣に発生する悪性腫瘍で、婦人科悪性腫瘍の中でも最も死亡率が高い疾患です。
  • 疾患の分類:
    • 上皮性卵巣がん(約90%)
    • 胚細胞性腫瘍(若年者に多い)
    • 性索間質腫瘍
  • 病期分類:
    • I期:卵巣・卵管に限局
    • II期:骨盤内に限局(子宮・卵管などに進展)
    • III期:骨盤外腹膜や後腹膜リンパ節転移
    • IV期:遠隔転移あり

治療について

  • I~II期:
    • 手術:両側付属器(卵管・卵巣)切除+子宮全摘+大網切除+骨盤・傍大動脈リンパ節郭清術
    • 妊孕能温存希望であれば一定の条件下で片側温存可
  • III~IV期:
    • 可及的腫瘍減量術 → 残存腫瘍径1cm未満を目標
    • 前後に化学療法を挟むことあり
  • 化学療法:
    • 標準治療はプラチナ併用療法
      • カルボプラチン+パクリタキセル療法(TC療法)
      • ドーズデンスTC療法も選択肢
  • 維持療法:
    • BRCA変異陽性:オラパリブ
    • 血管新生抑制:ベバシズマブ
  • 再発治療:
    • プラチナ感受性再発とプラチナ抵抗性再発で治療が異なる

手術(外科治療)

  • I~II期:
    • 手術:両側付属器(卵管・卵巣)切除+子宮全摘+大網切除+骨盤・傍大動脈リンパ節郭清術
    • 妊孕能温存希望であれば一定の条件下で片側温存可
  • III~IV期:
    • 可及的腫瘍減量術 → 残存腫瘍径1cm未満を目標
    • 前後に化学療法を挟むことあり

放射線治療

放射線療法は限られた状況下(オリゴ転移)などで使用されることがあります。

薬物療法

  • 化学療法:
    • 標準治療はプラチナ併用療法
      • カルボプラチン+パクリタキセル療法(TC療法)
      • ドーズデンスTC療法も選択肢
  • 維持療法:
    • BRCA変異陽性:オラパリブ
    • 血管新生抑制:ベバシズマブ
  • 再発治療:
    • プラチナ感受性再発:再度プラチナ系使用+維持療法
    • プラチナ抵抗性再発:
      • 非プラチナ薬:リポソーマルドキソルビシン、ゲムシタビン、トポテカン等 ± ベバシズマブ など

外来フォローアップ

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の患者様に対する、RRSO(予防的卵管卵巣切除)、外来フォローアップを行っております。